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超音波検査部門
超音波検査(エコー検査)とは、超音波(人の耳には聞こえない音(音波))を利用した画像検査です。リアルタイムに生体内の観察ができ、人体への影響が少なく繰り返し行うことが可能です。また、検査装置は可動性で安静が必要な患者様ではベッドサイドで行うこともでき、現在の医療には欠かせない検査の一つとなっています。脳卒中領域では、頸動脈狭窄、心臓の異常(心腔内血栓、弁の異常など)、下肢静脈血栓など、脳梗塞の原因となる異常の発見や経過観察に活用されています。当院脳卒中科では、頸動脈超音波検査、経胸壁心臓超音波検査、下肢静脈超音波検査、入院ではそれらに加え、経頭蓋超音波検査、経食道心臓超音波検査、経口腔超音波検査を行っています。当検査室では、丁寧に観察し詳細なレポート作成することにより、少しでも診療のお役に立つような情報提供をできるよう日々心がけています。
使用機器
Aplio400(TOSIBA)、ARTIDA(TOSIBA)、Xario(TOSIBA)
スタッフ
超音波担当医師:臼杵乃理子 野越慎司
臨床検査技師長:滝澤信彦
超音波検査担当技師:吉野さゆり† 大泉節子† 福地陽子†‡ 小坂美穂子 岩崎有美 奥山愛佳
†日本超音波医学会認定超音波検査士(心臓領域)
‡日本超音波医学会認定超音波検査士(血管領域)
検査実績(2014年度)
頸動脈超音波 1276件
経食道超音波 37件
下肢静脈超音波 92件
経頭蓋超音波 119件
頸動脈超音波
頸部からプローベという超音波発信装置をあて頸動脈を観察します。頸動脈は体表近くにあるため超音波検査による観察が容易で、頸動脈の動脈硬化の程度は全身の動脈硬化の指標として用いられています。また、頸動脈狭窄は脳梗塞の原因の一つとして重要です。頸動脈超音波検査では、動脈硬化による血管壁の肥厚(プラーク)や狭窄の有無と程度を調べることが可能です。当院では、頸動脈狭窄に対するステント留置術を積極的に行っており、治療後の経過観察(再狭窄やステント内血栓の有無)としても活用しています。
経頭蓋超音波
耳のすぐ上前方の頭蓋骨の薄い部位から脳動脈の血流を観察し、血流の方向や速度を測定します。頸部から後頭骨への移行部から超音波をあてる場合もあります。
経食道心臓超音波
食道から心臓や大動脈を観察します。検査器具の先端が超音波発信装置となっており胃カメラのような方法で行うため、咽頭を局所麻酔(スプレーやゼリー)が必要になります。心臓のすぐ裏側にある食道から観察することで、通常の経胸壁心エコーと比べ、小さな異常が発見できたり、より詳しく観察することができます。
下肢静脈エコー
下肢静脈(主に深部静脈)を観察し血栓の有無をチェックします。下肢静脈内の血栓が、心臓を経由し脳や肺へ飛来することにより、脳梗塞や肺梗塞の原因となることがあるためです。
経口腔超音波
口腔内から特殊な形状のプローブをあて頸動脈や椎骨動脈を観察します。通常の頸動脈超音波検査では観察できない体表より深部の頸動脈の観察が可能です。プローブの刺激により咽頭反射が起こりにくくするよう、スプレー麻酔を行います。