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脳卒中とは
脳卒中とはどんな病気?
脳卒中とは
突然生じた脳の血管の血流障害によって、急に手足がしびれたり動かなくなったり、言葉が話せなくなったり、あるいは意識がなくなったりする発作を”脳卒中”と言います。
“卒中”と言う古い言葉は、突然意識を失って倒れ、昏睡状態となるような発作のことを示していました。そして、意識はあるが突然半身不随になるような病気を、昔は”中気”あるいは”中風” とも呼ばれていました。 その原因は、脳の血管が詰まって血液が流れなくなったり(脳梗塞)、脳の血管が裂けて出血したり(脳出血)して、脳の組織が傷害されることによります。 脳出血は、昔は”脳溢血(のういっけつ)”とも言われていました。
脳卒中は、脳の血管が詰まる“脳梗塞”、脳の細い血管が裂けて脳の組織の中に血腫(出血の固まり)をつくる“脳出血”、さらに脳の太い血管にできた脳動脈瘤が裂けて脳の表面に出血する“くも膜下出血”に分類できます。
2015年の脳卒中データバンクによる脳卒中患者95844例の統計では、脳梗塞が76%と圧倒的に多く、次に脳出血が18.5%、くも膜下出血が5.6%でした。
脳卒中は突然起きる病気です!
脳卒中の症状は“突然に”起こることが特徴です。脳の血管が詰まったり、裂けたりすることが突然生じ、その時から直ちに何らかの障害が生じるのです。何年も前から気にしている症状、あるいは数ヶ月前から何となくおかしい、といった症状の出現が特定できない異常は、脳卒中が原因とは考え難いのです。 脳卒中は脳血管障害とも言います
脳卒中は、医学的には脳血管障害と言います。
その原因は年齢や性別によってさまざまですが、多くは動脈硬化による血管の破綻や閉塞によるものであり、脳血管の異常や奇形によるものもあります。症状も突然発症して障害が完成されてしまう場合、軽い症状から徐々に進行してしだいに重症になる場合、また軽い一過性の症状(前触れ)を繰り返した後に大きな発作を起こすこともあります。
但し、“脳血管障害”という場合は、突然生じる発作を伴わない場合(無症候性脳血管障害)も含んでいるので、厳密には脳卒中と脳血管障害はイコールではありません。脳卒中は、突然生じる卒中発作を伴う脳血管障害ということになります。
脳卒中の患者数は?
傷病別の患者調査(平成23年)によると、推計入院患者数は、精神疾患282万人、脳血管疾患172万人、悪性新生物151万人と報告されています。
また脳卒中は日本人の死亡原因としては1980年初頭までは第1位でしたが、その後は悪性新生物、心疾患に次ぐ第3位でした。しかし平成23年以降は肺炎に抜かれて、第4位となっています。1年間で約12万人が脳卒中で死亡しています。
脳卒中の死亡率の推移
脳卒中は寝たきりになる原因の第1位です!
もっとも大きな問題は、脳卒中は寝たきりとなる原因として圧倒的に第1位(36.6%)を占めることです。その次には、高齢による衰弱(13.5%)、骨折・転倒(11.8%)、認知症(9.0%)等が続きます。厚生労働省の2002年の報告では、全国に約35万6000人の寝たきりの方がおられ、そのうち約13万人が脳卒中が原因ということです。
特に脳卒中の中でも、脳梗塞ははじめは軽症であっても、何度も再発を繰り返して、後遺症が重くなっていく代表的な病気です。一旦脳梗塞を起こすと、ほぼ完治する人は約20%、73%は何らかの後遺症を残し、死亡する人は7%と報告されています。